真水注入の決断について

福島第一原発の原子炉を冷却するために行われている注水作業について、東電は1海水から真水に切り替えることを決定したが、結局これは米国の判断に応じたもので、東電と政府だけではこの決断はできなかった。冷却水に海水を使うと、(1)塩や不純物が固まって制御棒の間に付着し、水による冷却の邪魔となる(2)塩分は金属材料を腐食させる、という分かりやすい話だが、東電の対応はまたまた後手後手であり、結局、危機対応の最終判断は米国任せということとなった。
この海水注入の問題点はは前から分かっているし、最近では繰り返しCNNで言っている。日本のこの報道は、「なぜ今さら」、と思っていないのだろうか。喫緊の問題は「冷却できるかどうか」、が問題である。
海水を注入することは最後の砦だ、ということは最初から分かっていたし、米国ではそのように報道されている。最初に海水注入に対して使われたことばが、desperate(やぶれかぶれ、とでも訳すのだろう)である。しかし日本の報道にはおそらく自分でものを考える力がないか、あるいは理系の記者がいないのだろう。
東電側が最初に廃炉の経済損失を優先して海水注入を1日放置したこと、そしてその教訓もなく、この期に及んで自ら判断できない状態だということ、はすでに東電において意思決定能力が無くなったと考えざるを得ない。そうであれば、原発の危機管理はすべて米軍に任せた方がよいのではないだろうか。(蛇足だが、福島党首は反対するだろうが。。。)