忘れてはならないこと

前回も書いたが、「原子力は核」であることは忘れてはならない。
日本は原爆の被爆国なのに、なぜ福島原発放射線被害ではこのように楽観的な政府発表を信じるのか、という海外メディアは多い。原爆も原発も同じ放射線で災禍を起こすのだ。
またイスラエルとイランの行動も原発と核開発は表裏一体だということを物語っている。
日本のメディアが、お上主義、東電を含む広告主への拝金主義で、政治や権力への正しいチェック機能が働いていないことが問題の背景にある。また東電の歴代の社長と自民党との長年にわたる付き合いも、東電の隠ぺい体質を悪化させたことも、忘れてはならない。
とくに忘れてならないのが、東電の現場で汗水流して対応している社員や命を危険にさらして復旧作業をしている社員を他所に、被災地や東京都民への迅速なメッセージを出そうとしない、プライドの高い経営陣の処遇である。
彼らはおそらく、困った、自分の退職まで何もなければ良かったのに、と思っているだろう。原子力本部を筆頭に、事なかれ主義を貫き、リスク管理に背を向け、住民の命よりも身内を優先した「つけ」は相当大きいことを、まだ理解していないだろう。
ここで忘れてならないのは、東電の役員や取締役が涼しい顔をして多額の退職金をもらって去ることを、株主が阻止しなければならないことである。