JUSTICEとは

一昨日、米国のテレビでは日本の東京電力原子力作業員の娘の話が話題になっていた。彼女の手紙で「お父さんの会社の悪口を言わないでください。お父さんは原発の作業に命をかけて出かけてゆきました。そのときお母さんが、今まで見せたことのない大泣きでした。お父さんは自分の命を危険にさらしてみんなの命を守ろうとしているのです」と言うような内容で、視聴者の感動を呼んでいた。
これはまるで戦争をしている政府と、仕方なく責任感で戦場に向かう兵士の物語のようだ。
政府が戦争をする、電力会社が原発事故を食い止める、そのために国民や社員が命を危険にさらしている。
5年前の柏崎刈羽の教訓を東電は生かしたのだろうか。耐震工事をしたのだろうか。津波の専門家の意見を聞いたのだろうか。本店のプライドがそれを邪魔したのだろうか。
先日、日本が太平洋戦争に向かったいくつかの原因をNHKが分析していた。そしていつかは東電がなぜ柏崎刈羽の教訓を生かさなかったのか、分析される時が来るだろう。
しかしながら東京電力の役員達は、敗戦時の政府と違って、一級戦犯にならないのだろう。
国民と社員だけが犠牲になる組織には、サンデル教授の言うJUSTICEを当てはめるべきだろう。