国家資本主義の戦い

中国がベネズエラに50億ドルのインフラ投資を行うと発表した。
フランスは過去の宗主国ぶりを発揮して中東北アフリカ諸国(MENAという)地域での投資(主に原子力関連)を国営企業を中心に実施している。
ドイツはロシアでのエネルギー関連ビジネスの投資に巨大企業シーメンスを動かしている。
ロシアは国営ロスアトムで新興国への原発の売り込みを行っている。
また韓国は韓国電力という国営企業をリーダーに昨年アブダビでの原発のビジネスを獲得した。
日本はどうか。夢にもなりえないオールジャパンの看板を政府が掲げても非現実的だ。
とくに原子力分野では、GE・日立、東芝・ウエスティングハウス、三菱重工・仏アレバという主要メーカーが外資との事業提携を結んでいるので、オールジャパンは無理だし、ましてや海外の現地パートナーなしでは競争入札に歯が立たない。
国内4か所でのスマートグリッド実証試験でも各メーカーが「こことは組みたくない」などと幼稚な寝言を言っている。
さらにフランス、ロシア勢が原発運転などの一貫体制での受注競争に励んでいるのに、日本の電力会社は「我関せず」である。普通の企業の経営者が普通に取ってきたリスクを全く知らないし、日本の電力とガスの経営者は海外でのオペレーションと聞くとwet the pants状態なのだろう。
今後の世界でインフラ輸出にかける日本。原発スマートグリッド技術、環境技術などのインフラ輸出でしか生きていけない世界に突入した日本にとって、最終的にはチビリ族の国内の原発オペレーターを統合し、あるいはすべて国有化して、海外勢と戦うしかないだろう。
世界の列強の国家資本主義に対峙するには、国内の主要なエネルギー企業のトータルな再編や国有化が必要だ。