同時総選挙のヒマはない

政党による議会制民主主義の問題は、政治よりも政局となり、政策よりも選挙を優先することがしばしば生じることである。
米国では4年に1度の大統領選挙と下院選挙があり、大統領選挙では1年以上かけて政局が揺れ、選挙合戦でお祭りとなる。しかしその後はほとんどの場合、4年間は少なくとも大統領が任期を全うする。
一方、わが国は何かといえば選挙民が選んだ責任は放棄して、すぐに解散総選挙だとメディアがわめきたてる。
今回のように外交や財政など未曾有の危機のある日本においては、解散総選挙などでカネと時間を政治家に浪費させている場合ではない。
現政権が不満であれば倒閣すればよいし、選挙を行わずとも、超党派で国政の舵取りをすればよい。つまらない党利党略にそれぞれに議員がひれ伏す必要はない。自民党民主党もお粗末なことが国民の前に明らかになったからだ。議員が政党を離れて行動すべきで総選挙など言語道断である。
わが国に政局を混乱させているヒマも財力の残っていないことを、国民もメディアも政治家も認識すべきだ。