インターネットがもたらしたもの

 それは、「意志の伝達」「オープンな説明」「民意の吸い上げ」である。
 政治家あるいは経営者でも意志の伝達は重要になってきている。顔の見えない政治家、経営者では役に立たない。近代の政治家または経営者によるブログは、党内(社内)だけでなく社会一般に対するビジョンの発信となる。つまりビジョンが問われるのである。
 そこにオープンな説明が加わる。これは電子メールなどによるビューワーからの意見に対する説明であり、意志の伝達が一方向であるのに対して、オープンな説明はインタラクティブな双方向の説明となる。さらにそれによって政策や経営に重要な民意の吸い上げが可能となる。つまり旧来型のコミュニケーションでは党内(社内)の”耳に優しい”意見のみを採用する甘えを否定できる。
 日本の政治や企業経営におけるリーダーに上記3点を当てはめてみれば、時代性が見えてくる。麻生総理はいずれも落第であるばかりでなく、自民党の執行部の老獪政治家はすべて落第であろう。そこに民意とのギャップが拡大した背景がある。
 さて身の回りの企業経営者はどうだろう。ビジョンの構築と明快な伝達、オープンな説明、第三者からの耳の痛い話を含んだ意見の吸い上げを行っているだろうか?あるいは麻生丸と同じように沈没寸前か。政界の動乱は経済界の動乱を招く。